当院では、診断をつけるために必要と医師が判断すれば、以下のような各種検査を行っていきます。
超音波検査
超音波検査は、画像を用いて診断の有無を判断する画像診断のひとつです。これは、超音波を体の表面に当て、その反射波(エコー)を画像化することで、内臓や血管の状態を調べるという内容になります。検査する部位によって頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)、腹部超音波(腹部エコー)など名称は異なりますが、その検査方法についてはいずれも検査対象部位となる皮膚にジェル状のものを塗り、塗った場所にプロープ(細い筒状のもの:探査子)という小さな医療機器を当てるというものですが、人によっては不快感を覚えることもあります。ただX線などと違って放射線被爆を心配する必要はありませんので、体に負担をほぼかけずに検査することができます。
当院で行う超音波検査の種類は、以下の通りです。検査時間につきましては部位によって異なりますが、だいたい20分ほどになります。
- 腹部超音波検査(腹部エコー)
- 主に肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などに腫瘍、結石、炎症といった病変の有無やそのほかの異常を確認するために行います。
- 頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
- 頸動脈にある血管の流れや詰まり具合を確認するほか、動脈硬化の進行度合を調べるために行います。
- 甲状腺超音波検査(甲状腺エコー)
- 甲状腺疾患(甲状腺腫瘍、甲状腺炎 など)の有無を調べるために行います。喉の付近にある甲状腺に超音波を当てることで、甲状腺の大きさや状態などを画像で確認できるようになります。
呼吸機能検査
当院では呼吸機能検査として、肺の換気能力を調べるスパイロメーターや喘息の有無を診断する呼気NO検査も行っています。
スパイロメーターとは
肺の容積や、空気を出し入れする換気機能のレベルを調べるために用いられる装置になります。使用する際は鼻からの空気漏れを防ぐためにこれをクリップで止め、計測器とつながっている管を口でくわえて、息を吸ったり、吐いたりしていくのですが、その一回に吐くとされる空気の量と、早さを測定する検査になります。
検査の仕方としては、数回程度息を吸う、吐くといった行為を繰り返し、そして思いっきり息を吸い込んで、勢いよく吐くようにします。これによって肺活量や気道の狭窄状態などを調べることができるようになります。同検査では、COPDなどの閉塞性肺機能障害、拘束性肺機能障害の有無を確認でき、計測した値によって、どのタイプの呼吸器疾患にあるのかを調べられるようになります。
呼気NO検査とは
咳喘息や気管支喘息が疑われる際に行われる検査で、装置に向けて一定の力で息を吐き続けることで呼気に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定します。そのことで、喘息発症の有無を確認することができます。
骨密度検査
骨粗しょう症の発症の有無を調べる検査になります。そもそも骨密度とは、単位体積あたりの骨量(骨の中のカルシウムの量)のことで、これが何かしらの原因によって低下してしまい、そのことで骨折しやすくなってしまうのが骨粗しょう症です。主な原因としては、加齢や閉経による女性ホルモン(エストゲン)の減少といったことが考えられ、高齢女性の患者の割合が高いという特徴もあります。
当クリニックの骨密度検査は、超音波方での検査になります。かかとや脛の骨に超音波を当て、骨の中に含まれるカルシムなどの状態を測定する方法です。エックス線を使用しませんので、妊娠中の方なども行うことが出来ます。
診断基準に関しましては、脆弱性骨折(ほんの少しの外力で生じる骨折)のある方でYAM(若年成人平均値:腰椎は20~44歳、大腿骨近位部は20代の骨密度の平均値)の値が80%以下、脆弱性骨折のない方でYAM値が70%以下の数値であった場合に骨粗しょう症と診断されます。